2013年12月11日水曜日

ついに、『嘆きのピエタ』を観ました

こんばんは。

最近はよく冷えますね。 
今私の部屋13度しかない。実家はすごく寒いところなので寒さには強いです。

お気に入りのドラえもんのような色のフリースを着て、こたつに入ってます。

高校3年生の時、ドラえもんに憧れて、という不思議な理由でゲットしたフリースです。

この色のフリースまた売ってくれないかなー。


それより、本題です。

実は昨夜、ついに『嘆きのピエタ』を観に行ったんです。

さんざんtwitterでも、このブログでも、行く!行く!と言ったものの、

通常公開期間にはとうとう観に行かず、詐欺になりそうになっていました。

下高井戸シネマでレイトショーするのを知って、
私がtwitterで「ピエタ行きたいなー」と何気なくつぶやいたのを、
行こうよって行ってくれなかったら、また観ないところでした。笑

誘ってくれて本当にありがとうです。
私一人じゃきっと最後まで観られなかったです(笑)

私にとってキム・ギドク作品は3本目。

今まで観た2作よりも、ストレートに心に刺さるものがあった。
その分、すごくすごくしんどいのだけど。

最初観たサマリアのように、今回はちゃんとレビューしようと思います。


(画像:http://news.livedoor.com/article/image_detail/6841146/?img_id=367504

あらすじ: 身寄りもなく、ずっと一人で生きてきたイ・ガンド(イ・ジョンジン)は、極悪非道な借金取り立て屋として債務者たちから恐れられていた。そんな彼の前に母親だと名乗る女性(チョ・ミンス)が突如現われ、当初は疑念を抱くガンドだったが、女性から注がれる愛情に次第に心を開いていく。生まれて初めて母の愛を知った彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先、女性の行方がわからなくなってしまい……。

解説: 独創的な作風で世界中から注目を浴びる韓国の鬼才キム・ギドク監督による、第69回ベネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた問題作。昔ながらの町工場が並ぶソウルの清渓川周辺を舞台に、天涯孤独に生きてきた借金取りの男の前に突如母親と名乗る女性が現われ、生まれて初めて母の愛を知った男の運命を描き出す。主演はテレビドラマ「愛してる、泣かないで」のイ・ジョンジンと、ベテラン女優チョ・ミンス。二人の気迫に満ちた演技と、観る者の予想を超えたストーリー展開に圧倒される。
(Yahoo!JAPAN映画より http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id343981/


ガンドはさびれた町工場から取り立てをしている。
借りた人の体を不自由にしてでも金を巻き上げようとする。
街工場のおじさんたちが、自分の商売道具の機械で、痛めつけられると思うと、辛い。

「死なれるのは面倒」とかって、悪魔としか思えない。
心を無くしてしまっているかのよう。
もう最初の方から、やーめーてーって思うシーンの連続で目を背けたくなる。

町工場は本当にどこも貧乏そうだし、ボロボロで、これは現代なの?って思ってしまった。
なんだかソウルとの格差を感じた。
「お金」が重要なキーワードなのだが、そういう社会の格差
華やかなものの陰に隠れて見えない、陰の部分を見せようとしているのかもしれないと感じた。



母であるというミソンが現れ、最初は拒絶しているのだが、
その愛情を受け入れるとガンドは変わっていく。

ガンドが母と向き合うシーン(すごく濁した言い方にしてます)の
撮影技法の話になるのだけど、
ドキュメンタリーぽい手ブレとか、ズームとかがあるのだけど、
個人的には違和感があり、そこでちょっと、あれ?って思ってしまった。

どういう意図でその撮り方にしているのかはわからないけど、
あれ?が、私にとってはストーリーから抜け出す休憩になったから最後まで見えたかも(笑)

話をストーリーに戻します。


ナイフを片付けるガンド。
そこからは少し落ち着いて見えるシーン。
仲良く出かけるシーン、温かくもあり、切なくもあり、泣きそうになった。
でも監督はそんなまま終らせてくれるはずがないので、身構えてた。


だんだん、???ってところが出てくる。
私は鈍いので結局最後まで気付けなかったけど、すごい展開だった。


ラストのミソンの気持ちは、母になったことがなくても、同じ状況であれば、私もそう思うだろう。
申し訳なさと、それでもそう思わずにはいられない、複雑な気持ち。

『母なる証明』を観たときにも感じたけど、
愛は人を良い方にも、悪い方にも変えるとてつもない力がある
と改めて強く感じた。


ガンドは母の愛に触れることで、これまで自分がしてきたことを振り返り、
なんてひどいことをしてきたんだろう、と思っただろう。

それがラストの謝りのシーンに凝縮されている気がした。
前半に出てくる子どもが生まれる父親の、
愛する人のためならどうなってもいいという気持ちがわかっただろう。

そして愛する人がいなくなることの絶望も。

ラストは本当に、あぁ…と辛くなったし、
最初悪魔のように見えたガンドが、観終ったあとには愛おしく思えた。
正直今まで観た映画で一番しんどかった。

本当は何度も、目をそらしたくなったし、外に出たくもなった。

最初のほうはなんて暴力的で嫌な映画なんだ・・・と思った。

しかし、そういうグロテスクなシーンが多いわけではなく、
音、つながりが想像を呼び起こすからよけい辛いのだ、
と一晩おいたらわかった。

観ていくうちに、それぞれの人物の心に直に触れているかのように、
その温かさも冷たさもヒシヒシと伝わってきた。(ガンド、ミソン、被害者…)

しんどくても、観てよかったと素直に思えた。


こんなことを思いました。

ピエタとは聖母子像のうち、死んで十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアの彫刻や絵の事を指すそうです(wikipediaより引用)。
それが表すのは、母の慈愛と罪の贖罪なのだろうか、
という指摘をよく見るのですが、私にはわかりません。

でも、そんな気がしてきます。

監督の作品にはキリスト教要素が必須ですが、
この作品でもガンドの部屋の窓から2回見える大きく書かれた
「ハレルヤは永遠なり」という文字が出てきます。

これが何を意味するのかもわかりません。

やはり一度聖書を読んだほうが、他の映画も理解できるかも・・・

おやすみなさい。




それにしても美しいチョ・ミンス・・・

ミソンもすごく美しいけど、こういう写真も48歳なりの48歳にしかできない美しさが溢れてます。


(画像http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=1952571:)

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